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サロン型研究会

研究会活動報告

2008.07.25. 第二回研究会
現代の家族を考える
2008.05.31. 第一回研究会
イタリアの「時間銀行」と「社会連帯の思想」
─人間の尊厳、時間の価値の対等性と主体の平等性─

第2回

現代の家族を考える

準備中

 

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第1回

イタリアの「時間銀行」と「社会連帯」の思想
― 人間の尊厳、時間の価値の対等性と主体の平等性 ―

サロン型研究会(複数の研究プロジェクトにま たがり、また試論的テーマを扱う運営委員会企画の研究会)第1回が5月31日(土)14:00-17: 00、専修大学神田校舎大学院教室で開かれた(専修大学社会科学研究所定例研究会と共催)。テーマは、「イタリアの『時間銀行』と『社会的連帯』の思想」で、報告者は内藤光博氏(専修大学・憲法)、コメントは内田弘氏(専修大学・経済学史)、司会は古川純(運営委員)であった。

《報告内容の概略》

はじめに、このテーマで共催するに至った経緯について平田芳年氏(運営委員)から説明がなされた。NPO現代の理論・社会フォーラムでは、「市場原理主義と異なる社会編成の理念」「新自由主義に対抗する概念」を模索してヨーロッパの「社会的企業」「連帯経済」を論じてきたが、特にイタリアの 「時間銀行」(Banca del Tempo)に注目して内藤氏(イタリア・ボローニア大学在外研究経験あり)に依頼をし資料調査をしていただいたところ、いわば入門編としてフォーラムNEWSLETTER第3号(2008.4)に本テーマと同じタイトルの論考が寄稿された。今回の報告では、それ以降の調査と資料に基づく「時間銀行」の歴史的経緯と展開に関して詳細な検討をお願いしたものである。内藤報告で注目されるのは、1986年イタリア国会における「女性が時間を変える」法案(1986年提出、ただし廃案)が端緒となり、その後の1990年地方自治法改正でコムーネ(市町村)の長に「時間を調整する=時間を管理する権限」を付与したことである。90年法に基づきパルマ市でジュリアーナ・ロッシ(「時間銀行の母」)が「時間銀行」を創設したことからイタリアの「時間銀行」の歴史は始まった。「時間銀行」の仕組みは、時間の交換」、時間の預金・払い戻し・借り入れを可能とするシステムである。「時間銀行」の特質は、「時間の価値の対等性」と「主体の平等性」に立脚する点であり、それを支える思想・原理は、高齢者や女性によって設立された経緯から「高齢者の人間としての尊厳」「経済的価値と結びつかない『時間』の概念」であり、時間を媒介とする「社会における人間関係の再構築」、「時間の交換」による人間の尊厳性と平等性の認識、現代社会における「個人の孤独」の克服と「社会的連帯」の構築であって、その根底にはイタリア憲法第2条の「Solidarieta=社会的連帯」があるとされる。

《コメントと意見交換の概略》

内田氏から、まずLETS(地域交換取引制度)との異動に関してLETSは中央銀行通貨と必ずリンクするのか(リンクしないのが原則である)、時間貨幣やLETSは一般市場経済といかなる関係をとるべきか(経済的価値に引きずられない、マネー支配への歯止めをかける)などの質問が出された後、マルクスのアリストテレス「デ・アニマ」(生命あるもの)研究に基づく「事実の真偽問題」について鏡の絵をもとに貨幣(一般的等価形態、異質の商品を等値し譲り渡す)の発生とその理論的虚偽性を論じられた。出席メンバーからは、欧州のLETSやアメリカのITHAKA HOURS、日本の各地の「地域通貨」や「さわやか福祉財団」の「ふれあい切符」(介護サービス目的の時間通貨)、日本ケアシステム協会の「タイムストックシステム」、NIPPON ACTIVE LIFE CLUB(NALC)の「時間預託制度」などとの類似点と相違点をめぐり、「時間銀行」の資本主義批判の思想と「社会的連帯」の意義について活発な議論がなされた。

(7月上旬発行の『FORUM OPINION』2号にて同研究会報告を掲載しております)。
(古川 純〈「時間銀行」研究会・司会〉)

●例えば「タイムストックシステム」とは?

日本ケアシステム協会のタイムストックシステムとは、サービスの提供者が 労働に対する報酬を貰わずに働いた時間数をストック(預託)して、将来自分の必要に応じてその時間数を実際のサービスで受け取るというシステム。2005年7月末現在、全国のセンターで814名のワーカーが、のべ110,694.50時間をタイムストックしている。同協会発足間もない1992年度には、全ワーカーの総活動時間にしめるタイムストックの比率(預託率)は67.4%にのぼったが、その後、ワーカーの増加につれ、現金ワーカーの比率が増えて預託率は大きく減少。さらに2000年の介護保険の導入によって、預託率は1割程度まで減少。同協会は、考えられる原因として、将来、自分または身近な者がタイムストックを使ってサービスを受けられるかどうかという不安が介護保険によって解消されたという思い込みと、若いワーカーにとっては年金問題と同じで、なかなか自分の問題としてとらえられないということがあると思われる、としている。

 

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